のぼりべつクマ牧場 ヒグマ博物館(北海道・登別市)|ヒグマと人の距離をたどる

くまぼくへ向かうロープウェイ乗り場より

はじめに

登別温泉の山あいにある、のぼりべつクマ牧場。

以前から名前は知っていて、「一度はクマを近くで見てみたい」と思っていた場所だった。

施設について調べるうちに、アイヌ文化を紹介する「ユーカラの里」が併設されていることを知り、ヒグマとアイヌ文化の両方に触れられる場所として訪れることにした。


霧に包まれたクマ牧場

ロープウェイの中にはクマのぬいぐるみがいたり、干し鮭を模したものもあり、山頂へ向かう時間からすでにクマの世界が始まっていた。

訪れた日は雨まじりの天気で、山頂は濃い霧に包まれていた。

ユーカラの里へ続く道にはアイヌの歌のような音楽が流れ、人の姿もほとんど見えない。

霧の向こうへ吸い込まれていくような、不思議な雰囲気があった。

その一方で入口近くではアヒルレースが行われていて、「クマ牧場なのにアヒル?」と思わず笑ってしまった。

この奥にユーカラの里があります

想像以上に大きかったヒグマ

実際にヒグマを目の前にしてまず驚いたのは、その大きさだった。

ガラス越しとはいえ、四つ足で歩いているヒグマの目線が自分の目線のすこし下あたりにある。

頭では分かっていたつもりでも、実際に見ると圧倒される迫力だった。

餌やり体験も印象深い。

ガラス越しのエリアでは、専用の筒を使ってヒグマへ餌を送ることができる。

餌を食べる様子には少し怖さも感じたが、別のエリアではヒグマたちが前足を上げて「バンザイ」のようなポーズを見せてくれる。

投げた餌を口でキャッチしたり、手を伸ばして受け取ろうとしたりする姿はどこか愛嬌があり、気づけば餌を追加で買っていた。

かわいらしさと怖さ。その両方を同時に感じる時間だった。

ヒトのオリから見たヒグマ
自販機でクマのおやつが買えます

ヒグマ博物館で見た「暮らしの中のヒグマ」

ヒグマ博物館では、生態や成長過程、内臓の構造などが展示されている。

中でも印象に残ったのは胎児の標本だった。

巨大なヒグマの姿は想像できても、その一生の始まりを見る機会はなかなかない。

そして最も記憶に残ったのは、アイヌの信仰に関する展示だった。

クマの頭を用いた展示を見たとき、「本当に人々の生活の中にヒグマがいたんだな」と感じた。

単なる野生動物ではなく、祈りや敬意の対象として暮らしの中に存在していたことが伝わってくる。

また、ヒグマによる被害や人との関わりについての展示もあった。

展示を見ながら印象に残ったのは、アイヌの人々とヒグマとの距離感だった。

アイヌの人々はヒグマを神の送りとして敬いながら、その生態を理解し、生活の中で共に暮らしてきた。

一方で、展示で紹介されていたクマ害の事例からは、必ずしもヒグマを深く理解できていなかった人々の姿も見えてくる。

もちろん時代や地域によって事情は違うだろう。

それでも、「ヒグマを知っていた人たち」と「ヒグマを十分に知らなかった人たち」の違いがあったのかもしれない、と考えさせられた。

胎児〜成獣まで展示されている!
祈りのひとつだったのかもしれない

ユーカラの里で見たアイヌの暮らし

クマ牧場の奥にあるユーカラの里にも立ち寄った。

館内には、生まれてから死ぬまでの人生の流れに沿って生活道具が展示されている。

実際に乗ることができる舟もあったが、勇気がでないで結局乗れなかった。

訪れた日は霧が濃く、人もほとんどいなかったこともあって、どこか異世界のような空気が漂っていた。

ヒグマだけでなく、アイヌの暮らしにも触れられるのは、この施設ならではの魅力だと思う。

150点余りが展示されている復元チセ内部

ヒグマの向こうに見えたもの

訪れる前は、「ヒグマを近くで見てみたい」という気持ちが大きかった。

実際に目の前にすると、その大きさや力強さに圧倒される。

けれどヒグマ博物館で見たのは、野生動物としての姿だけではなかった。

アイヌの人々の暮らしや信仰の中にも、ヒグマは確かに存在していた。

北海道には他にも多くの野生動物がいる。

それなのに、なぜヒグマはこれほど特別な存在として扱われてきたのだろう。

今回の訪問で答えを得たというより、新しい疑問を持ち帰った気がする。

そして、その答えをもっと知りたくなった。

エサまちのヒグマたち

旅人メモ

・クマ牧場全体の滞在時間:約3時間

・ヒグマ博物館のみ:約30〜40分

・登別駅からロープウェイ駅までは距離があり、バス利用がおすすめ

・登別温泉バスターミナルからロープウェイ乗り場までは徒歩10〜15分ほど、タクシーもいます

・途中は上り坂や階段があるため、足腰に不安がある方は注意

・道中のクマの看板や装飾も楽しい

訪問時は霧でクッタラ湖展望台が真っ白だったが、昼食後には霧が晴れ、美しいクッタラ湖を見ることができた。

天候によって景色が大きく変わるのも魅力のひとつだった。

濃霧のクッタラ湖、、まっしろ
晴れたら絶景になったクッタラ湖

この場所をあなたへ

・ヒグマについて知りたい人

・北海道らしい展示を見たい人

・アイヌ文化に興味がある人

・動物園だけでは物足りない人

ヒグマを見るだけでなく、人とヒグマの関係まで知ることができる場所だった。

施設情報

施設名:のぼりべつクマ牧場、ヒグマ博物館

住所:北海道登別市登別温泉町のぼりべつクマ牧場

アクセス:ロープウェイ乗り場まで無料シャトルバスあり

開館時間:9:00〜17:00

料金:大人 3200円(往復のロープウェイ代込み)

公式サイト:https://bearpark.jp/museum_observatory/

山頂からロープウェイで降るのも素敵空間

最後まで読んでくれてありがとうございます。

旅の記録があなたのヒントになれば嬉しいです。

またどこかで小さな発見を。

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